2008年3月28日金曜日

TOTO、80年代のテクニカルアメリカンハードロック!



TOTO 「宇宙の騎士 TOTOファースト」

1978年か79年のアルバムだと思う。当時は今まで裏方だったスタジオミュージシャンが注目を浴び初めていた時代で、LAのスタジオギタリスト、ラリー・カールトンがソロアルバムを発表して、クロスオーバー・ミュージックからフージョンと呼ばれる音楽が人気を博していた時代だった。
クロスオーバーとはロックとジャスがクロスした音楽、フージョンはロックとジャズが融合した音楽を指していたが、当初はクロスオーバーはロックよりのガツっとした音楽(マハビシュヌ・オーケストラやジェフ・ベク、コロシアムⅡなど)を指していたが、フージョンはもう少しジャズよりの音楽を指していたように思う。
いずれも、基本はヴォーカルなしのインスト音楽が主流だったが、ニューヨークのスタジオニュージシャンが集まって結成されたSUTAFFがR&Bを基本としたSOULフルな音楽で好評を得た後に、LAの若手スタジオミュージシャンで結成されたのがこのTOTOだ。
しかし、このバンドはインストではなく、ヴォーカリストを擁してアルバムを発表した。スタジオでのフラストレーションを発散するような明快な(単純という意味ではない)なロックアルバムを作ってデビューしたのだ。
このアルバムの最もオススメな点は、曲のメロディーだろう。とにかくメロディーが良くて覚えやすくてキャッチーと言ってもよいほどだ。スタジオニュージシャンの難しい玄人受けする音を期待していたら、真逆の音が出て感じだ。
メンバーはリーダーのドラムスのジェフ・ポーカロとキーボードのスティーブ・ポーカロのポーカロ兄弟、そしてPOPで曲作りの才豊かなキーボードのデビッド・ペイチ、ベースのデヴィッド・ハンゲイト、そして、ギターヒーローと呼んでもいいだろう、スティーブ・ルカサーだ。
メンバー全員、20代だと思うが、キャリア・実績ともベテランの域だ。78年から85年ごろのアメリカの音楽、特にLAのロック系のアルバムで彼らのクレジットは凄まじい数だったと思う。
ボズ・スキャッグスの「シルク・ディグリーズ」「ダウン・トゥー・ゼン・レフト」そして「ミドル・マン」
は当たり前として、スティーブ・ルカサーのゲストの名演を上げればアース・ウィンド・ファイアーやレィ・ケネディ、オリビア・ニュートン・ジョンなど、どれも音を聞けばすぐにルカサーとわかる音だった。
美しいオーバードライブ・トーンで、ロング・トーンに揺れ幅の大きなヴィブラートをかけるフレーズ、早く弾くフレーズは、クロマチック(半音)的な動きで、ギターのネックをローポジからハイポジへ高速でチェンジしていく。そして、3弦と1弦でインターバルのある音でのフレーズで切なさを盛り上げる…。
たぶん、テクニックとか、音楽の旨みの部分だとか、何よりも、「音楽」というモノを作りあげる職人としてはとてつもない力量をもったギタリストだと思っている。

私は大阪のブルーノートで、スティーブ・ルカサーのギターを弾く姿をすぐ近くで見た経験がある。(ちなみに握手して、ピックももらいました!)「TOTOⅣ」でグラミー賞を獲る直前の81年の来日公演を大阪府立体育館で観た思い出を持つ自分としては、スリムでカッコよかったけど、遠くて小さくかったスティーブ・ルカサーが、目のまえで(最前列のテーブルに座っていた私の目の前に、左手を持ってきたので、実測5cm!)リラックスしてありったけのテクニックを使って、観客を楽しませてくれた。本当に、アメリカの、西海岸の、カリフォルニアの、明るい、そしてプロフェッショナルなギタリストだ。

最後にこのアルバムの私なりの聞きどころは「you are the flower」の変調の多いバックに合わせてスリリングに、そして流麗に弾くルカサーのソロと、名曲「HOLD The line」の日本人なら感じちゃうメロディーだと思う。TOTOの思い出は色々と尽きません。

2008年3月18日火曜日

ゲイリー・ムーアの泣きのハードギターだ!



ゲイリー・ムーア「スティル・ガット・ザ・ブルース」

このゲイリー・ムーアという人のキャリアって本当に紆余曲折なんよね。

初めてのメジャーはよく覚えてないけどシンリジィあたりかな?
やっぱり70年代後半のハードロックの波の中で、ギターヒーローとして出てきました。
でも、そのまえにジョン・ハイズマンやドン・エイリーと組んだ「コロシアムⅡ」での、
ジャズ・ロックの演奏が、実は個人的には大好きです。「ウォーダンス」の一曲目での変拍子のリズムに合わせてのメインメロディーのノリと、ゲイリーのソロの前で、少し音数が減って、その微妙な緊張感がたまりません。そこへゲイリーの熱い熱いソロがぶち込まれます。あーカッコイイこと!!

そして、ソロになってからは、自らボーカルをとってのハードロックのアルバムを次々と出していきました。
この人の場合は、やっぱりハードロックといっても、70年代のブルースロックをルーツにしてるので、
ハードに速弾きしても、どこがで粘りが出ます。だもんで粘るチョーキングのロングトーンの力の入り具合は相当なもんでしょう。ビデオなどの映像で見る限りでも右手のピッキングの強さとか、正確さ、音の鋭さ、それに左手のフィンガリングの指の強さなど、すごいテクニックで、やっぱり日本人と違って「肉、食ってるぞーっ」というのがよくわかりますね。

そんなゲイリー・ムーアが90年代に入り、ブルース・ハードロックがさすがに子供っぽくてイヤになったのか、ブルースのアルバムを出しました。それがこの「スティル・ガット・ブルース」です。
発表されたときは、ブルース・ブームもあって、でもスティーブ・レイ・ボォーンは死んじゃうしで、そんなときに、あのゲイリーがとってもわかりやすいブルースアルバムを出してくれたので、アメリカでは大受けした記憶があります。世のベテランギタリストが「この手があったのか!」と思ったとか。

ブルースのカバーとオリジナルが半々ぐらいなんですが、当時としては、ロックファンにとってはわかりやすいブルースアルバムで、私は好きでしたが、コアなブルースファンは結構嫌がってました。
でも、ゲイリーはこの後もこの路線(ブルース回帰)を結構続けていて、何度が変な方向のアルバムもありましたが、基本は今も、この感じですね。

しかし、この人はいま、こういうブルースロックで弾かせたら、敵なしのギタリストになってしまいましたね。ホンとに激しい音も、小さい音も、全ての音に魂を宿せる究極のギタリストに近づきつつあります。
他にもいっぱいイイアルバムがあるので、また紹介したいですね。

2008年3月15日土曜日

イーグルスの「ホテカリ」こそオヤジロックの始祖です


イーグルス 「ホテル・カリフォルニア」

ウェストコーストのサウンドがサーファーの間ではやりだしたころ、このイーグルスも最初はカントリーの影響の強いバンドとしてスタートした。そしてギターにドン・フェルダーが加入する。このアルバムの前のアルバム「呪われた夜」のギターサウンドは、粘る粘る極上のオーバードライブサウンドで、それまでのフェンダーギターのカラっとした音とは全く対照的なレスポールによるブルージートーンだった。
このドン・フェルダーというギタリストはイーグルスでの活動しか印象がないが、そのギタープレイは、メロディアスでありながら、とても変則的な運指やポジション移動で、とても個性的なギタリストだ。

そこへ、アメリカンハードロックのジェイムスギャングの看板ギタリストのジョー・ウォルシュが参加する。そして生まれたのがこの「ホテルカリフォルニア」だ。

完璧にチューニングされた12弦ギターのイントロからはじまるタイトル曲「ホテルカリフォルニア
もっともメインの曲を1曲めに持ってくる潔さも凄いが、なんともストーリー性を感じさせるこのイントロのアルペジオの切なさ。レッド・ツェッペリンの「天国への階段」と双璧をなす、ロックの名曲のイントロだとおもうのだが、どうだろう?

そして、ドン・ヘンリーのハスキーハイトンーンの歌が終わるとエンディングのギターソロへとなだれ込む。ドン・フェルダーのソロを引き継ぐようにジョー・ウォルシュのギターソロとなり、最後はツインギターでのハーモニーでこの曲はフェードアウトしていく。まさに完璧な曲であり、時間を忘れさせる音楽のマジックを堪能できる曲だ。

そのほかの曲もよく、続く「ニュー・キッド・イン・タウン」でほっこりして、「駆け足の人生」でジョー・ウォルシュのアメリカンロックの影響を感じつつ、B面のハイライトは「暗黙の日々」のスライドギターと絡むハードなギターかな。とにかくギターの「良い音」の見本がいっぱい詰まってるアルバムです。