2008年5月7日

渡辺香津美はメイド・イン・ジャパンを誇れるテクニシャン


渡辺香津美「TOCHIKA」

80年ごろのアルバムかな?このブログは「ロック」がテーマなんだけど、この渡辺香津美はやっぱりジャズ出身なんだよね。でも、あの時代の日本の音楽を作った一人には違いないんで、そういうパイオニア精神はやっぱりロックなんだと思う。

 この「TOCHIKA」は80年代の渡辺香津美の代表作で、アルバム中の「ユニコーン」はテレビのCMでも流れてたので有名な曲だ。この頃の香津美のギターはテクニック的にも最も油がのってる時期で、とにかくメッチャ難しいフレーズでも、簡単にサラッと弾くかと思えば、普通レベルのフレーズもすごいスピード感で弾いてしまう、まさにギターと一体化したようなギタリストだった。ジャンル的にも、とにかく何でも弾けた。ジャズはもちろん、ロックもクラシックもボサ・ノヴァもフラメンコも、ベンチャーズも…。 

 でも、この人の持ち味はあくまでも、ジェントルで、アカデミックな香りのする音楽で、それがすごく好みの別れるところなんだろうなあ。14歳でジャズのリーダーアルバムを発表するぐらいだから(初録音じゃなくて、リーダーアルバム!)才能はあるし、とにかくいつもギター触って、弾いてるような噂も聞くし、きっと才能と、ギターの練習して、いつも向上していく努力(これも、また努力できる才能なんだけど)に恵まれてるんだろうけど、あまりにも巧すぎるのも考えモンですね。

 実は私の好きな渡辺香津美のギタープレイは、1978年ごろの坂本龍一のソロアルバム「千のナイフ」でのタイトル曲と、「エンド・オブ・エイジア」でのプレイ。日本のテクノミュージックの夜明けのようなアルバムで、この曲を聴いたときは、「日本の音楽が世界で羽ばたく。新しい時代が来るんだ」って単純に思ってしまって感動しちゃいました。

 そのあと、渡辺香津美のソロアルバム「KYLYN」でまた坂本龍一&矢野顕子と演奏してます。これも後のイエローマジックオーケストラに続くPOPさをもち合せた好盤で、聴きまくってました。それから、本格的にイエローマジックオーケストラがデビューして、その1979年か80年のワールドツアーに渡辺香津美はサポートギタリストとして参加するんだ。ロンドン・パリのヨーロッパ公演とロス・ニューヨークのアメリカ公演で、テクノミュージックは世界の音楽になっていくんです。そしてこのときの渡辺香津美の演奏は様々な伝説(実話です)を産みます。いわく、あのマイルス・デイビスからグループに誘われた。いわく、香津美の演奏を見ていたパット・メセニーの顔が青ざめてきて、ギターの練習しに急いで家に帰ったetc。
(このライブの演奏はyoutubeで見れますので、興味のある方はどうぞ。絶対ビックリしますから)

でも、この「TOCHIKA」はバックをマイク・マイニエリを中心とした、当時のニューヨークのTOPミュージシャンで固めてるので、ソリッドで緊張感のある演奏が楽しめます。少し突っ込んだ話をすると、曲によって、ドラマーがスティーブ・ジョーダンと、ピーター・アースキンを使い分けているようで、そこのところが、プロデューサーのマイク・マイニエリのこだわりです。
でも、まだ直に彼のプレイを見たことがないので、今度、機会があれば、できるだけ真近で見たいと思っております。

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