2008年6月21日土曜日

ロベン・フォードはおしゃれなブルースではナンバー1


ロベン・フォード 「ブルームーン」

ファースト・アルバムのタイトルは「ギターに愛を」だったと思う。モノトーンのLPジャケットで、ラリーカールトンの後釜のポジション狙いだったけど、ラリーカールトンよりずっとファンクっぽい音で、黒っぽい音だった。それがその後、マイルス・デイヴィスのバンドに一時期加入したこともあったりしたけど、明快なブルースミュージシャンとして帰ってきた。

この「ブルームーン」にしてもそうだが、自分で歌うボーカルナンバーと、バリバリ・ギター弾きまくりのインストがほぼ半分の割合。で、このクラスのミュージシャンになるとアルバムごとの出来にあまり差がなくて、よく言えば安定感があるし、悪く言えばマンネリかな。でもこのロベン・フォードのギターも独特のギター・トーンとフレーズのリズム感があって、実にカッコいいソロフレーズを弾く。

もう、3年ぐらいまえに大阪ブルーノートの最前列でこのロベン・フォードのライブを見たのだが、メインのギターは、あのフェンダーのロベンフォードモデルじゃなくて、ギブソンの現行のレスポールstdと、このアルバムジャケの白のテレキャスターを使い分けてました。アンプもあの伝説のハワードダンブルのアンプじゃなくてギブソンのアンプでした。その音がまたでかくて、ちょっと耳が難聴状態になっちゃいましたが、次から次へフレーズを繰り出すそのプレイは、やっぱり本物のプロ中のプロ(当たり前か)で素晴らしいライブでした。

ライブが終わったあとも、楽屋の前で即席のサイン会を開催してくれて、私のこの「ブルームーン」のCDの中ジャケには、ロベン・フォードのサインがバッチリ。握手してくれた手も、ごつくてでかい手でした。

2008年6月8日日曜日

トミー・ボーリン、伝説の天才ギタリスト


トミー・ボーリン「ティーザー」

今や伝説となっているギタリストトミー・ボーリン
たぶん、ほとんどの人はリッチー・ブラックモアの脱退した後、第4期ディープパープルに加入したアメリカ人のギタリストで、来日した日本公演ではほとんどギターを弾かずに帰った人、っていう感じだと思う。

75年のディープパープルに加入して発表した「カム・テイスト・ザ・バンド」のツアーで12月に日本に来たとき、トミー・ボーリンは手を負傷していたそうだ。それで満足にギターを弾けなかったそうだ。
まことに残念。この人がその気になって弾けば、おそろしく神がかりなプレイを生で見れただろうに。

この人の名演と言えばまずはビリー・コブハムの「スペクトラム」マハビシュヌ・オーケストラのドラマーのビリー・コブハムの73年のソロアルバムでの演奏だろう。73年だから、今のような録音ギミックはほとんどなしで、ギターのトーンの生々しさや、演奏のテンションの高さは半端じゃない。キーボードは同じくマハビシュヌ・オーケストラのヤン・ハマー。手数の多いビリー・コブハムのドラムとヤン・ハマーのキーボードの中で、トミーはジャズ・ロックの萌芽をまさしく体現してくれた。このまことにカッコイイ、ロックギターインストのスタイルは、そのまんま御大ジェフ・ベックが受け継ぎ、完成させてくれている。

そして、75年の春に発表したソロアルバムがこの「ティーザー」だ。インストもあるが、ほとんどの曲でトミーが自身でボーカルをとっている。またこの声が、ハスキーどころかしゃがれた声で、実に魅力的なんだ。
ギタリストのソロアルバムらしく、ギターの音は何重にも録音されている。よく聞くとそれぞれが、微妙にリズムやリフ自体を変えている。スライドギターも実に巧くて、また効果音的にも使っている。
そして、曲自体も実にバラエティ。ロックから、マーチ、バラードにボサノヴァ風ジャズ、レゲエにスペーシーなフュージョンまで、しかし全てにトミー・ボーリンのロックなギターが絡んでいる。

バックのメンバーがまたすごい。みな75年当時は新人か、ほとんど無名なんだけど80年になると頭角を現して一流になった人ばかり。まずほとんどの曲でドラムを叩くのがTOTOのジェフ・ポーカロ。キーボードがデヴィッド・フォスター。サックスがデヴィッド・サンボーンで、ゲストでキーボードがヤン・ハマー。ドラムにナラダ・マイケル・ウォルデン。すごすぎる!!

もっともギタリストとしてカッコイイのは「マーチング・パウダー」かな。テーマではブチ切れるほどエネルギッシュなトミーのギターが、ギターソロでは、少ない音数から徐々に自分の中の狂気を引きずり出して、凄く速いパッセージへと展開していくその様は思わず鳥肌モノ。でも、個人的に好きなのはその前のレゲエの曲「ピープル・ピープル」。イントロからギターのカッティングリフでレゲエのリズムを刻み、そのギターに乗ってトミーが歌いだす。この曲が、やっぱりベストだな。