2008年9月21日日曜日

アルバート・キング、悪い星の下に生まれて…



アルバート・キング 「Born Under A Bad Sign」

「悪い星の下に生まれて」って、このアルバムのタイトルそのまま何だけど、70年代から今にいたるまで、ブルースロックでカバーされ続けてる名曲なんですよ。

このアルバムはアルバート・キングが出したのは1967年かな?音はその時代の音でホーンが入ってたりしてるし、レコードやジュークBOXの時代なんで、1曲1曲が短くカットされてる。それも絶対曲の途中なのに、「時間がきたからハイ」って感じでブちぎられてる曲もありそう。でもアルバート・キングのギターと名曲が聞けるので、絶対においしいアルバムです。
タイトル曲が一番有名だけど、「OH,PRETTY WOMAN」(キンクスの曲ではありませんので)や「THE HUNTER」スロウなマイナーブルースのお手本「AS THE YEARS GO PASSING BY」なども聞き所でしょうか。もう一本のギターはSTEVE CROPPERっていうのも渋い感じですね。

このアルバート・キングって人は、写真で見ても分かるぐらいの巨体で、左利きなんで、左でギターを弾くんですが、普通の人はサウスポー用のギターを弾くのが普通ですよね。(つまり左右逆のモデル)でも、この人は右利き用のギターをそのまま逆さまにして弾いちゃいます。これがどれぐらいスゴイというか、変なのは右利き用と左利き用では、弦の張り方が逆なんで、右利き用では左手の親指側から6弦低い音から下へ1弦高い音に弦がはってあるものなんです。これは左利きのジミ・ヘンドリックスも右利き用をそのまま左でひいてましたが、さすがに弦の1~6弦は左用に張り替えてました。でもアルバートキングはそのまま弾いちゃうんでよね。
昔、子供のころに左利きだけど右利き用のギターしかなかったからそのギターで練習してたらそういうスタイルのなったということなんですが、普通ならまともに弾けないはずなのに、アルバートキング節というほかにない素晴らしい演奏をしているんですから。絶句。(でもブルースの世界ではこういう、変態の人って多いそうです)
この、アルバート・キングは、3大キング(BBキング・フレディキング・アルバートキング)の中で、もっともブルースらしい泥臭さと粘っこい演奏と、後のロックギタリストへの影響度がスゴイので、絶対の抑えておきたいギタリストです。この人のギターを聞けば、スティービー・レイ・ボーンやジミ・ヘンドリックス、ジェフ・ベックあたりまで、その影響度がわかりますよ。
最後に「すべてのロックギターはブルースへと繋がる」

2008年9月6日土曜日

大村憲司、伝説となったサムライ・ギタリスト



大村憲司ライブ「Left-Handed Woman」

このCDの解説の最初に「大村憲司伝説ギタリストだ」と書いてあったので、記事のタイトルに使わせてもらった。70年代から90年代の日本の音楽シーンが進化していく根っこの部分にこの人はいた。

 兵庫県神戸市の生まれで、学生のアマチュアの頃から名の知られたギタリストだった。20歳過ぎで渡米して音楽を吸収して、「赤い鳥」というバンドに加入してプロとなった。「赤い鳥」はあの「翼をください」のヒットで有名なフォークバンドなので意外に思うが、ライブではドラマーの村上ポンタ秀一とブルースやジャズのインプロヴィゼーションやりまくってたらしい。で、お客さんは感心する人もいたけどやっぱり怒ってた人のほうが多かったそうだ。
 その後は「バンブー」「カミーノ」というこれまた伝説のバンド結成後、セッションギタリストとして活躍。坂本龍一、井上陽水沢田研二大貫妙子吉田美奈子などのレコーディングやツアーに参加、YMOの日本ツアーでトップシーンに出た感があった。
 しかし、この大村憲司という人は、決して自分の音楽を曲げぬ人。その音楽性はPOPな部分も多々あるのだが、それも上質のPOP。売れたら良しの子供だましのPOPは一切受け付けない。東京の音楽が嫌になって神戸に帰ったりしている。(結構、神戸に長いこと住んでいたらしい)手前みそで申し訳ないが、この時期私も大阪に住んでいたので、大村憲司に会おうと思えば、また神戸にチキンジョージのライブなどは観ようと思えばいくらでも見られたのだ。なんともったいないことだったのだろう。
 それから、70年代のフージョンブームで少し小難しい曲が多かった演奏が、ブルースやジャズ、R&Bを主体とした実にソウルフルな演奏になっていった。このCDでも、ライブで聴ける大村憲司のギターの、何ともソウルフルに歌っていることか!まさしく「音楽が演奏されている」という実感、生まれてては消えていく音楽をまさしく記憶(recorded)しているとい手触りが感じられる。

このCD「Left-Handed Woman左ききの女」は、どちらかというとフュージュンよりのエキセントリックな演奏だが、対になっている「Leaving Home」はもっとブルースっぽい演奏のライブとなっている。そちらが好みの人もいるだろう。どちらも大村憲司のギターなので、素晴らしい演奏なのは間違いない。フレーズ・音色、タイム感、そしてプレイの表情のつけ方の次元が高い。レベルが違うのだ。難しいフレーズや指が速く動くとかいうレベルを超えた演奏なのだ。(もちろん結構速く弾いているフレーズもあるのだが、サラッと弾いているので、速くかんじない)

でも、1998年11月14日、肝臓病の悪化で帰らぬ人になってしまった。享年49歳。酒の飲みすぎなんだよ!生きていれば来年は還暦の年。素晴らしいギターを聴かせてくれるのは間違いない。