2008年12月31日水曜日

ジェフ・ベックの破壊力がピーク!



ジェフ・ベック・グループ 「ベック・オラ」

 ロッド・スチュワートをボーカルに起用したジェフ・ベックグループのセカンド・アルバム。グリーンのアップルがジャケットを占領しているのは、当時のビートルズへの挑戦だったのかも知れない。
 そして、これ以降ジェフ・ベックはアルバムを2枚出すたびにグループを解散するというレッテルをはられることになる。
 1曲目の「All Shook Up」は少しPOPな曲調で、アルバムを通して典型的なブルースから少しPOPよりな曲が多くなっている。そしてロッド・スチュワートのロック・ヴォーカリストとしてのカッコよさは、もう素晴らしいの言葉に尽きる。まさに「唄いっぷり」が凄いのだ。
 そして、このアルバムから正式メンバーとなったピアノのニッキー・ホプキンスの正統派のプレイ。このメンバーはおそらく70年代のロックを引っ張っていける実力は十分に持っていただろう。しかし、どうにも当時のジェフ・ベックのまわりはドロドロしていたらしい。マネージメントが云々ということは要するに「金」の問題がややこしくて、ミュージシャン・シップの高いメンバーがうんざりしたんだろうと思う。実にもったいないことだ。
 しかし後半の「Plynth(water down the drain)」や「Rice Pudding」で聴かれるジェフ・ベック節炸裂の激しい演奏を聴くと、まさに鳥肌もの。このアルバムからストラトキャスターの音もするのだが、ヘヴィということにとことんこだわったような音が感じられる。もし、この演奏のクオリティー、緊張感が現代のデジタルレコーディングされていれば、その生々しさに圧倒されてしまうはずだ。
 もしロックファンであり、ロックの生まれた瞬間に少しでも興味があるのなら、ぜひジェフ・ベックグループのアルバムは聴いてもらいたい。エリック・クラプトンクリームのアルバムや、レッド・ゼッペリンのファーストに匹敵するくらい重要なアルバムだと私は思っているのだが。
 

ジェフ・ベックのブルースロックだ



ジェフ・ベック・グループ 「トゥルース」

1968年、ジェフ・ベックが24歳のときに結成したグループがこのジェフ・ベック・グループ。そのデビューアルバムがこの「Truth」だ。ボーカリストに無名だったロッド・スチュワート、ベースに後にギタリストとしてローリング・ストーンズに加入したロン・ウッドがいた。今改めて聴いてみると、典型的なブルースロックタイプの曲でギターとヴォーカルの掛け合いまであって、録音状態が古いこともあって、演奏自体の加工はほとんどないと思うので、妙に生生しい臨場感がある。
そして、このアルバムはやっぱりボーカルのロッド・スチュワートが何といっても素晴らしい。この後、ロッドはPOPやバラード路線で自身のキャリアを積み重ねており、常に自身をフロントマンとした音楽活動をしていたため、このアルバムのように、ギターのジェフ・ベックとの2枚看板で、ブルースを粘っこく、熱く歌っているのは最初で最後になっている。
そして、やっぱりギターのジェフ・ベック。相当に自由にギターを弾いているように聴こえる。基本的にはヘヘビィーな曲が多いためレスポール主体でありながら、トレブリーな音を出している。また曲のバッキングではボリュームを少し絞ってクリーンな音を出したりもしている。そういうギターのセッティングはやはりさすがスーパーギタリストだと感心する。またブルースナンバーの「You Shook Me」や「I Ain't Superstitious」などではワウを使ったしつこいギターも聴かくことができる。でも、このアルバムをブルースロックとして聴くならばやっぱり「Let Me Love You」や「Rock My Plimsoul」「Blues De Luxe」のベック流のブルースギターとロッドのヴォーカルとの掛け合いが最大のおいしい目玉だろう。 さして今となってはやっぱり名曲になっている「BECK's BOLERO」の美しさや力強さも永遠のものだったことを改めて認めてほしいと思う。

2008年12月21日日曜日

ジェフ・ベックのギターショップへようこそ



ジェフ・ベック 「ギターショップ」

1989年の作品。ジェフ・ベックの時代を切り開いた初期のギターインスト三部作「BLOW BY BLOW」「WIRED」「THERE AND BACK」から、1985年当時の人気プロデューサー・ナイルロジャースと一緒に製作した「FLASH」(ジェフが作った唯一の駄作と言われている。ボーカル曲も普通だし、インスト曲もダンサブルすぎるし。ただ個人的には当時LP盤を買って聴いていたので思い出もあるし、結構好きな曲多い)を経て、久しぶりに発表したインスト作。テリー・ボジオ、トニー・ハイマスとのトリオで作られてこのアルバムは、その後に発表されてアルバムも含めて、他のジェフ・ベックのアルバムとは少し違うニュアンスがある。ジャケットからして、シリアスなものが多いジェフ・ベック作品のなかでアニメチックであり、音自体もアメリカ的というのは少し乱暴か。
 曲自体はスーパードラマー、テリー・ボジオの活躍ですごい緊張感や質感を保持している。そしてトニー・ハイマスのもつシンフォニックをベースにした名曲にして超絶難曲「WHERE WERE YOU」、そして夜中に部屋の電気を消して暗くして聞いてもらいたい「TWO RIVERS」。「永遠」という言葉の感触が味わえるのはジェフ・ベックのバラードの特徴でしょう。
 そして、最後はやっぱりこれだけは知ってもらいたい。テリー・ボジオのドラムセット!たぶん世界最強だと思われます。手と足4本だけでは到底足りないと思われる凄いセットです。見たいかたはYOU TUBEで検索してください。

2008年12月13日土曜日

ジェフ・ベックのゼア・アンド・バックは名曲揃いです



ジェフ・ベック 「ゼア・アンド・バック」

1980年のこの「THERE AND BACK」が発表されたとき、オープニングの「STAR CYCLE」を聴いて「これは、もうこの世界の音楽じゃない、宇宙規模の音だ」と思ったのを思い出す。今聴いても充分、スペーシーな曲で当時の日本人じゃ絶対に出来ない音楽だと思った。

このアルバムは少し今までのジェフ・ベックのアルバムとは少し違う意味合いを感じる。前2作は「BLOW BY BLOW」「WIRED」がギターインストとして、演奏に重点が置かれていたように思う。と言っても曲が悪いわけではなく、テーマ部分があって、ギターソロがあってという曲の形があった。この「THERE AND BACK」では、3人のソングライターがいるのだが、ヤン・ハマートニー・ハイマスサイモン・フィリップスとで作る曲はメロディーが圧倒的に良く、テーマ・ソロ・テーマという単純さでギターソロを楽しむのではなくて、テーマメロディーからジェフ・ベックというギタリストの魅力を楽しめるのだ。

特にお気に入りは「THE PUMP」。ベック自身もまた、多くのフォロファーもカヴァーしている名曲だ。ゆったりとしたメロディーで広がりのある雰囲気がサビになると緊張感というか、微妙な不安感を伴ってソロが続く。そしてそれがいつまでも続くかのような気になる…。アナログ盤ではA面のラストで余韻を楽しむ曲だ。

それから、「EL BECKO」の派手さも良いが、「SPACE BOOGIE」の暴力的なギターも良い。ちなみにこの曲はドラマーのサイモン・フィリップスの曲だが、バスドラムが延々鳴り響く凄いドラムも聴きものだ。
それからラストの「THE FINAL PEACE」。あまり語られることのない曲だが、こういう演奏はやっぱり、それ相応の才能や精神性の高さがないと弾けないよう気がする。またこのトニー・ハイマスの品のいいキーボードとジェフ・ベックのギターコラボは後の「WHERE WERE YOU」や「JB’S BLUES」の続いているんだと思う。とにかく「永遠」っていうことを聴くものすべてに感じさせる演奏だ。

最後に、数年前に大阪ブルーノートにスティーブ・ルカサーをライブを体験したのだが、そのときのドラマーが現TOTOのサイモン・フィリップスで、このアルバムから「THE PUMP」「SPACE BOOGIE」の2曲を演奏してくれました。スティーブ・ルカサーの演奏がメインとはいえ、オリジナルのサイモン・フィリップスのドラムを直に聴けたことに感動しました。とにかくツーバスの音の凄まじいこと!!身長は160cmくらいの小さい身体からあんなにデカイ音が出てくることに、ホントに驚きました。

ワイアードで金縛りだ!


 
ジェフ・ベック「ワイアード」

2009年2月、久しぶりにジェフ・ベックが来日する。世界で最もカリスマ性の高いギタリストで、40年前に今の「ロック」という音楽を作った人なんだけど、たぶんコアなファンしか見にいかないんだろうと思う。2002年の来日のときは見に行った。そして生であの「音」を聴いた。それは夢が現実に存在することを確認できた瞬間だったんだが。

で、最近はジェフ・ベックのアルバムを頻繁に聴くようになった。
特に「BLOW by BLOW」以降のインスト作品を聞くことが多い。このジェフ・ベックの音楽を聴いているともう30年以上前に作品なんだが、全然古臭さを感じない。当然アナログ録音の古さはあるんだけど、リズムのシャープさや、ギターも音色やリズムのユニークさや、何よりジェフ・ベックの感性の部分での演奏だから、もともと流行云々の音楽でないのだから当然だ。

アルバム「WIRED」は1976年、前作の「BLOW BY BLOW」の翌年発表された。前作がギターインスト路線の第1作でビルボードのチャート入りするほどのヒットになったため、急遽作成された感じのあるアルバムだ。しかし、盟友ヤン・ハマーをメイン・ゲストに迎えてのプレイは、ギターVSキーボードのインタープレイを聴かせてくれた。特にヤン・ハマーはマハビシュヌ・オーケストラでジョン・マクラフリンとバンドを組んでいたり、ドラマーのビリー・コブハムのソロでジャズロックの名盤「スペクトラム」でトミー・ボーリンとこの手の音楽をプレイしていたため、ジェフ・ベックが、一緒にプレイしたかったのだろうと推測される。

実際「BLUE WIND」はイントロと、テーマの後はギターとキーボードのソロ回しなんだけど、これがお互いのプレイを煽るように、聴いてるほうの感情も引き込まれてどんどん高くなってしまう。この曲だ30年以上たってもライブでプレイされ続けているのはやっぱりメロディーが単純だけどカッコイイんだよなあ。

オープニングの「LED BOOTS」もとてもスゴイ。イントロのドラムソロから変拍子のテーマになり、そしてジェフ・ベックのソロはブチ切れソロ。これを聴いて「ああ、これがロックギターだ」って思った。
それから続く「COME DANCING」では、ジェフのカッティングギターが聴ける。これもロックギターのカッティングでカッコイイのだ。そしてソロはいきなりオクターバーを使った緊迫感のある素晴らしいソロだ。
そして3曲目はジャズベーシストのチャーリー・ミンガスの「GOODBYE PORK PIE HAT」。ジャズのリズムをブルースに変えて、ねっとりと、そしてギターのトーンもクリーンからディストーション、リングモジュレーターを使ったフレーズまで、ワンフレーズごとに表情を変えるジェフ・ベックらしい名演!

このジェフ・ベックの凄いところはやっぱり「ワンフレーズごとに変えてくるトーン」とフレーズのリズム間がオリジナルなところ。普通の王道フレーズも何かジェフ・ベック流になってるんだよね。
というわけど、今月はジェフ・ベック特集にすることに決めた。

2008年12月1日月曜日

ラリー・カールトン&スティーブ・ルカサーの名盤!



LARRY CARTON&STEVE LUKATHER 「NO SUBSTITUTIONS LIVE IN OSAKA」

2001年の大阪ブルーノートでのグラブギグのライブ盤。そして70年代から始まったあのスタジオミュージシャンの華やかかりし頃の、スーパーギタリストの競演。師匠のラリー・カールトンと弟子のスティーブ・ルカサーと言っていい関係だろう。

収録されている曲は、ラリーカールトンの初期の3曲「DON'T GIVE UP」「ONLY YESTERDAY」そしてラストは名曲「ROOM335」。オープニングはJEFF BEDKの「THE PUMP」でロックなセッション風に始まり、
間にMILES DAVISの「ALL BLUES」をはさんでのたった5曲とはいえ、カラフルな選曲と、右chのスティーブ・ルカサーのギターと、左chのラリーカールトンのダブルギターで非常に充実したライブアルバムになている。そして、ライナーノーツにあるように、お互いが非常に優秀であることはもちろん、その音楽界への功績をも認めあうギタリストによる、非常に「音楽を作る」という意識の高い演奏が聴かれる。

選曲にも現れているが、ラリーカールトンがライブの主導権をにぎっているのだろうが、スティーブ・ルカサーのサービス精神でライブは常にエネルギー溢れるものになっている。そして、この会場の音!この大阪ブルーノートは大阪の北新地の西側、桜橋にあったのだが、今は移転して大阪駅に移っている。この地下にあったライブハウスで実際にスティーブ・ルカサーの単独公園を私は最前列で見させてもらったのだが、あの時のライブハウスの音がそのまんま録音されているのにはビックリした。目を瞑ればまるでその場にいるかのような感覚さえあった。

この素晴らしい演奏、チケット手に入ったのに見に行かなかった自分が悔しいよ~。そしてこのライブアルバムは、グラミー賞を受賞するんだよね。実に惜しいものを見逃したものだ。
でも、このあと見たスティーブ・ルカサーのライブでも「THE PUMP」はしっかり演奏していたし、ドラマーはサイモン・フィリップスで本物が叩いてたことになるし、本当に目の前10cmくらいで、スティーブはギターを弾いてくれたし、握手してピックももらって(自慢!)ホントに気さくないい人でした。