
ジェフ・ベック 「ゼア・アンド・バック」
1980年のこの「THERE AND BACK」が発表されたとき、オープニングの「STAR CYCLE」を聴いて「これは、もうこの世界の音楽じゃない、宇宙規模の音だ」と思ったのを思い出す。今聴いても充分、スペーシーな曲で当時の日本人じゃ絶対に出来ない音楽だと思った。
このアルバムは少し今までのジェフ・ベックのアルバムとは少し違う意味合いを感じる。前2作は「BLOW BY BLOW」「WIRED」がギターインストとして、演奏に重点が置かれていたように思う。と言っても曲が悪いわけではなく、テーマ部分があって、ギターソロがあってという曲の形があった。この「THERE AND BACK」では、3人のソングライターがいるのだが、ヤン・ハマー、トニー・ハイマス、サイモン・フィリップスとで作る曲はメロディーが圧倒的に良く、テーマ・ソロ・テーマという単純さでギターソロを楽しむのではなくて、テーマメロディーからジェフ・ベックというギタリストの魅力を楽しめるのだ。
特にお気に入りは「THE PUMP」。ベック自身もまた、多くのフォロファーもカヴァーしている名曲だ。ゆったりとしたメロディーで広がりのある雰囲気がサビになると緊張感というか、微妙な不安感を伴ってソロが続く。そしてそれがいつまでも続くかのような気になる…。アナログ盤ではA面のラストで余韻を楽しむ曲だ。
それから、「EL BECKO」の派手さも良いが、「SPACE BOOGIE」の暴力的なギターも良い。ちなみにこの曲はドラマーのサイモン・フィリップスの曲だが、バスドラムが延々鳴り響く凄いドラムも聴きものだ。
それからラストの「THE FINAL PEACE」。あまり語られることのない曲だが、こういう演奏はやっぱり、それ相応の才能や精神性の高さがないと弾けないよう気がする。またこのトニー・ハイマスの品のいいキーボードとジェフ・ベックのギターコラボは後の「WHERE WERE YOU」や「JB’S BLUES」の続いているんだと思う。とにかく「永遠」っていうことを聴くものすべてに感じさせる演奏だ。
最後に、数年前に大阪ブルーノートにスティーブ・ルカサーをライブを体験したのだが、そのときのドラマーが現TOTOのサイモン・フィリップスで、このアルバムから「THE PUMP」「SPACE BOOGIE」の2曲を演奏してくれました。スティーブ・ルカサーの演奏がメインとはいえ、オリジナルのサイモン・フィリップスのドラムを直に聴けたことに感動しました。とにかくツーバスの音の凄まじいこと!!身長は160cmくらいの小さい身体からあんなにデカイ音が出てくることに、ホントに驚きました。
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