2009年1月11日日曜日

ジェフ・ベックのインスト初ライブ盤!



ジェフ・ベック「ジェフベック・ウィズ・ヤンハマー・グループ・ライブ」

1977年発表のライブアルバム。そしてジェフ・ベック唯一の公式ライブアルバムでもある。
当時はヤンハマーのグループに加入して、お互いのレパートリーを演奏するようなツアーでのライブだったと記憶している。そしてギターインストとして「BLOW BY BLOW」「WIRED」と立て続けに名盤を発表した後のライブ盤で、FMラジオでは結構特集が組まれていた。曲目は「BLOW BY BLOW」から「FREEWAY JAM」「SHE’S A WOMAN」「SCATTERBRAIN」の3曲、そして「WIRED」からは「BLUE WIND」、後の3曲はヤンハマーの曲で「EARTH」「FULL MOON BOOGIE」「DARKNESS」となっている。そしてどの曲もスタジオ盤よりも緊張感の高い、そして生々しい演奏を聴く事が出来る。オープニングでの「FREEWAY JAM」でのヤンハマーのキーボードとの掛け合いは、まさに渋滞中の街中のようであり、「SHE’S A WOMAN」でのピッキングの生々しい演奏、「SCATTERBRAIN」ではジャジーでスローな長い前奏も聴ける。そしてあのメインテーマでのプラクティスのようなフィンガリング。「BLUE WIND」のイントロでの神々しさ。テーマに続いてのヤンハマーとのソロの応酬がり、しばしのドラムのカウント。そしてヤードバースの「TRAIN KEPT A ROLLIN」が挟まれて、また「BLUE WIND」のエンディングへ。ものすごく緊張度の高い演奏が展開される。
 もう一つ付け加えておくなら、ヤンハマーの曲でのジェフ・ベックの演奏はヴォーカル曲でのカッコいいバッキングのカッティングや、ここでしか聴く事のできないギタープレイで、これがまたレベルの高い良い演奏なのだ。最後に出来るだけ大きな音で聞いてもらいたい。ライブの雰囲気やベックにギターの生々しいトーンがこのライブアルバムの最大の魅力だから。

2009年1月4日日曜日

ジェフ・ベックのもっとも「らしい」アルバム



ジェフ・ベック・グループ 「ジェフ・ベック・グループ」

第2期ジェフ・ベック・グループのセカンドアルバムで通称「オレンジアルバム」と呼ばれている「JEFF BECK GROUP」。「TURUTH」のジャケットの大きなリンゴに対して、こっちはジャケットの上のほうにオレンジの写真があることからそう呼ばれている。
 メンバーは1枚目と同じで、ドラムスにコージー・パウエル、ベースにクライブ・チェアマン、キーボードにマックス・ミドルトン、ボーカルにボブ・テンチの布陣。そしてプロデューサーがスティーブ・クロッパーということで、前作よりロック、R&Bよりの音になっている。
 まず1曲めの「ICE CREAM CAKE」。コージー・パウエルのかっこいいドラムから、ベースのリフが入る。そしてジェフ・ベックのギターが絡んでいく。「ロックってカッコいい…」って心底思える曲だ。ギターソロもいきなりの高速トリルからロングトーン、そして感情のおもむくままにフレーズを連発するジェフ・ベックのギター。もう完璧…。2曲目、3曲目はR&Bテイストの強い曲で、ここでのボブ・テンチのヴォーカルは、まさに水を得た魚のよう。見事に歌いきっている。4曲目の「SUGAR CANE」は不思議なテイストの曲。こんな曲のドラムをコージー・パウエルが叩いていたかと思うとおもしろい。
 そしてもはやロックの名曲といえる「GOING DOWN」。これまでも多くのギタリストがカヴァーしている。ヴォーカルもそれほど難しくなく、またボブ・テンチの歌い方も曲と合っていない(?)ので、カヴァーしやすいのだろう。そしてジェフ・ベックのギターもオブリガードからソロまで、トレモロアームを使ったり、トリッキーなフレーズを駆使したりの熱演。ギタリストが集まったときのジャムでも、ソロ回しがしやすいために良く演奏される曲だ。
 そしてジェフ・ベック・グループのヴォーカル曲の中での私のフェバリット「HIGHWAYS」。イントロからジェフ・ベックの泣きのギター、そしてヴォーカルのバッキングのカッコよさと、曲の美しさ、ドラマチックさ、そしてギターソロの盛り上がりといい、エンディングの渋さといい、初期のジェフ・ベックのカッコよさをもっとも印象づけた曲だ。こういう音楽をロックの範疇でやっていたのは、ホントにジェフ・ベックだけだったろう。そしてこのアルバムが1972年の発売なんだから、時代の先取りというよりは、普遍的にカッコいい音楽を作っていたんだろう。
 ラストがまた名曲「DEFINITELY MAYBE」。最近はジェフ・ベックの曲も多くなったきたから、あまりとりあげあれないが、私が子どものころにジェフ・ベックの泣きのギターといえば、まず真っ先に出てきた曲だ。ワウとスライドを使った曲はメロディ自体が泣きの曲なのだが、それを丁寧にまた、感情を抑え気味にして弾くジェフ・ベックのギターは、やはり彼の「名演」のひとつに数えられるべきものだろう。

2009年1月3日土曜日

ジェフ・ベックのおしゃれロックを聴け!



ジェフ・ベック・グループ 「ラフ アンド レディ」

ジェフ・ベックが自動車事故から復帰して結成した、俗に言う第2期ジェフ・ベック・グループのファーストアルバム「ROUGH AND READY」。当時はレッド・ツェッペリンディープ・パープルのハードロックや、デヴィッド・ボウイTレックスなんかのグラムロックの人気が高かった時代だったはずだが、このアルバムでのジェフ・ベックの音楽は今聴いても新しさとかっこよさ、何ともいえないおしゃれな感覚が溢れている。
 メンバーはドラムにメジャーバンドデビューのコージー・パウエル(あのコージー・パウエル…)、ボーカルのボブ・テンチ、ベースにクライブ・チェアマン、キーボードにその後も活動をともにするマックス・ミドルトン。後のインスメンタル・クロスオーバー路線に移行するジェフの音楽性が最もよくわかるグループだろう。
 ドラムのコージー・パウエルはのちにリッチー・ブラックモアレインボーに加入して、70年代の後半から80年代にかけては世界ナンバーワンのロックドラマーとして君臨した。キーボードのマックス・ミドルトンはジャズの要素を持ち込み、のちの「BLOW BY BLOW」にも参加して美しい曲を書いている。それからベースのクライブ・チェアマンとヴォーカルのボブ・テンチが黒人であることから、曲にファンクやR&Bのリズムが加わり、アルバム全体が今まで聴いた事がないような美しいバランスでミクスチャーされることになった。といっても、1曲になかにいろんな音楽が詰まるような現在のミクスチャーではない。1曲1曲にそれぞれに音楽の要素が展開されているのだ。
 オープニングの「GOT THE FEELING」から「SITUATION」への流れはPOPといえるほどのおしゃれさで、かっこいい曲とはまさにこういう曲をいうのだろう。もちろん曲中に絡むベックのギターも最高!
 ギターもレスポールからストラトキャスター主体になり、歪みは少ないがファンキーは曲によくブレンドするトーンになっている。
 「MAX’S TUNE」は美しいバラードでありながらジャジーに展開する後のジェフ・ミュージックを予感させるもの。「NEW WAYS」から「TRAIN TRAIN」へのメドレーはライブ感もあり爽快。そしてラストの「JODY」がスライドギターで奏でられるバラードとなっている。ある意味では、非常に異質なアルバムだろう。ドラムにコージー・パウエル、ギターにジェフ・ベックがいなければ、このアルバムは軟弱なロックになっていたかもしれない。まさに紙一重で、唯一無二のジャズ・ファンク・ロックが生まれたのだ。