2009年2月28日土曜日

Charのロックトリオの原点



JOHNNY,LOUIS&CHAR 「FREE SPIRIT」

Charの「JOHNNY,LOUIS&CHAR」結成のファーストアルバムにして、1979年7月14日、日比谷野外音楽堂でのライブアルバム。というより日本のロックの名盤中の名盤にして、文字通りの「歴史的な名盤」であることは間違いない。
ファーストアルバム「CHAR」で20歳にして彗星のごとく日本の音楽界に現れたチャー。その音楽も「SMOKY」や「Shinin'YOU Shinin’Day」などの名曲を発表してハイセンスなイメージだったチャーが、歌謡曲の世界に出て、歌番組やコント?までやったりして、だんだんすさんで大麻かな?で捕まったあとで復活結成したバンドがこのトリオバンドなんだ。
のちにPINK CLOUDとバンド名は変わるんだけど、ジョニー吉長と、ゴールデンカップスの伝説の天才ベーシスト、ルイズルイス加部のリズムコンビにチャーが加わるというまさに鉄壁のロックバンドがこのトリオなのだ。
 まず、1曲目からジミ・ヘンドリックスへのオマージュで破壊的なエネルギーを見せつける「君が代」こと「intoroduction」、そして「Wasted」のドラムのイントロからベースとヘヴィーなユニゾンのリフにつながるところは、まさに「ロック」の緊張感に溢れている。そして日本語で歌われる「風に吹かれてみませんか」「籠の鳥」はまさに今の日本でこそ、みんなに聞いてほしい名曲だと思う。日本独特の民謡?的なノリの「Natural Vibration」は今でもチャーのライブの定番になっているし、ソロでのBとDの2分近いトリルは今でも指がつって弾けない。ラストの「Shinin'YOU Shinin’Day」のスタジオ盤とはまったく違うライブならではのスリリングな演奏も聞きものだ。それぐらいムダ曲なしのロックに浸れる至福の40分だ。
 そしてこのライブ盤が「歴史的な名盤」といわれるのは、このライブが“ノーギャラ、ノーペイ、ノーチケット”のフリーコンサートだったことだ。バンドのメンバーはもちろん、スタッフもみんなただでこのコンサートを開催したんだ。お客さんは並んだ順に入場で、チケットなしのみんなタダ。それでこの素晴らしい演奏が見れたのはやっぱり凄い、そしてこの日のライブからチャーは、自身でも語るようにミュージシャンとして生きていくべく“変わった”んだ。
 最近、この日のライブの差し替えなしの完全盤と映像DVDつきのCDが発売されたけど、そちらもGOOD。なにより、実に当日の雰囲気が伝わってるのがいいんだ。「SMOKY」の演奏時に前に押し寄せた観客を演奏をとめてチャーが制してるのが凄い。やっぱり、チャーは、ホントに日本で最もロックしてるギタリストだよ。

2009年2月17日火曜日

ジェフ・ベックの生ライブ!



ジェフ・ベック 「ライブ・ベック!」

2005年のジェフ・ベックの来日記念盤ということでリリースされた2003年9月10日、ニューヨークの「BBキング・ブルース・クラブ」でのライブ盤。メンバーはドラムスにテリー・ボジオ、キーボードにトニー・ハイマスでベースレスとくれば、アルバム「GUITAR SHOP」と同じ顔ぶれ。そして、このアルバムはライブアルバムを出す事に消極的なジェフ・ベックが、しかし21世紀はライブ活動をメインの音楽活動にしているジェフ・ベックライブ会場でのみ発売されていたCDだそうだ。その後にファンクラブ経由のネット販売が追加されて、日本版での一般発売になったというCD。演奏のほうはというと、1曲目の「ROYS TOYS」から「PSYCHO SAM」などで新境地のデジタル・ジェフ・ベックを楽しめるのはもちろん、「FREEWAY JAM」や「GOODBYE PORK PIE HAT」、「SCATTERBRAIN」などの古い曲をこのメンバーでどう演奏するのかなど、盛りだくさんな内容だ。特にドラムのテリー・ボジオのライブ演奏はさすが現役の世界NO.1ドラマーと呼ばれるだけの素晴らしい演奏で、あらためてドラマーによって曲の音楽性や緊張感がこれほどグレードアップするのかと感心してしまう。
 そしてこのライブ盤のもっともオイシイところは、一切のオーバーダビングがなされていないという事に尽きる。まったく編集や、音の加工なしで、当日のライブ会場のPAから観客が聴いていたそのままのサウンドが再現されている。そのため、ノイズ・歪みもあるとのことだが、そんなものは全然気にならない、どころか気づきもしない。それほどのライブ感なのだ。
なんでも「公式ブートレッグ」というスタイルでのライブで、まさにジェフ・ベックのギタリストとしての魅力がこれほど伝わるコンセプトもないのではないか。
 会場が200人も入れば満杯という、ライブハウスクラスでのライブだそうで、すぐ目の前で、ジェフ・ベックのマーシャルから直にその音が聞こえていたはずで、まさにロック・ギターのすべてがそこにはあったんだろうと想像すると、本当にうらやましいかぎりだ。

2009年2月15日日曜日

エリック・クラプトンとB.B.キングの競演!



B.B.キング&エリック・クラプトン「ライディング・ウィズ・ザ・キング」

エリック・クラプトンが助手席にストラトキャスターを乗せうれしそうにハンドルを握り、にやっと笑う。BBキングが「おいおい…」て感じで両手を広げて、愛器ルシールととも後ろの席に載せられている。このジャケットがすべてを物語ってます。このアルバムはこういうアルバムです。
 左のチャンネルがエリッククラプトンのストラトキャスターの音で、右のチャンネルからはBBキングのルシールの音がします。音数が少なく、また最近の録音なので二人のギターの音色の感じやタッチ、フレーズの微妙な艶までよくわかる名盤。このアルバムでブルースのフレーズは、相当ストックできるはず。
 1曲めのタイトル曲「RIDING WITH THE KING」のノリノリ具合が特によろしい。4曲めの「MARRY YOU」や「HOLD ON I'M COMING」などのクラプトンズ・ブルースにのっかるBBキングのギターが新鮮だ。でも、やっぱりBBキングの歌声に比べると、エリック・クラプトンの声って、どこが泣いてる感じがするんですよね。

2009年2月8日日曜日

サンタナのエモーショナルな名演ならこれだ!



サンタナ「サルバドールにブルースを」

サンタナカルロス・サンタナ名義の1987年のソロアルバム。「BLUES FOR SALVADOR」はサンタナの今までのアルバムのジャケットとは大きく異なる。いつものサンタナのアルバムジャケットはアートの趣きがたっぷりの素晴らしいジャケットだが、このアルバムではカルロス・サンタナがスタジオの椅子に座っているだけの、それも白黒の写真が使われているだけだ。
 しかし、内容はジャケットとは反対に実にカラフルな音となっている。まずオープニングの「BAILANDO/AQUATIC PARK」では、いつものラテンのリズムに乗ってサンタナの艶っぽいギターが堪能できる。それから「BELLA」ではリリカルで繊細なギターが、そして「DEEPER,DIG DEEPER」ではダンサブルなリズムでのサンタナのギターがカッコよすぎる。
 実はこのアルバムでのサンタナの音楽が、デビューからの「ラテン~アフリカン」から「宗教~ジャズ」と難しくなっていったカルロス・サンタナの音楽が、今現在のすべての人に愛される音楽へと向かう一歩だったのではないかと思う。
 そして何と言っても素晴らしいのがラストの「BLUES FOR SALVADOR」。ワウを踏みながらのエモーショナルなアドリブに近い演奏であるにも関わらず、随所で聞くものの心の根っこをグッと押さえつける。もしあなたがギターを弾いているなら、こんな演奏が、こんなギターが弾きたいと必ず思うはずだ。決して速く弾くだけがテクニックじゃなく、ギターを弾いてない、音のないところにもカルロス・サンタナの気が完全に感じられる、そんな名演です。とても6分もあるとは思えない、音楽を聴く至福の時間と断言できます。
 このCD、昔レンタルしたんですが、今はなかなか売ってなくて、でもアマゾンで新品を690円で買いました。ラッキー!中古で3000円とか5000円とかで売ってる人もいますが、もう在庫限りの商品なのでしょうがないのかな?あとカルロス・サンタナのCDまとめて3枚買っちゃった。

2009年2月7日土曜日

ジェフ・ベックって誰?WHO ELSE!



ジェフ・ベック 「フー・エルス!」

ジェフ・ベックの1999年のアルバム。そして、「GUITAR SHOP」以来9年ぶりのオリジナルアルバムだ。当時、もう20世紀中にジェフ・ベックの新作を聴く事はないだろうと言われていたのだが、ついに発表された、そして強力なジェフズ・スーパーギターインストアルバムがこの「WHO ELSE!」。
 1944年生まれのジェフ・ベックが55歳にして、円熟とか渋みとか一切考えずに、全く新しいギターミュージックを作ったのがこのアルバムだ。このあと続けて発表された「YOU HAD IT COMING」と「JEFF」の3部作に共通した「スペイシー」な、この地球の音楽でないようなぶっ飛び感のある音がこのアルバムの最大の魅力だ。
 そして、ジェフ・ベックがテクニック的には完全に指弾きとアーミングを駆使してのオリジナルサウンド、フレージングを披露しているのも特徴。
 まず、1曲めの「WHAT MAMA SAID」から「PSYCHO SAM」へのスリリングな展開が素晴らしい。テレビ番組のバックミュージックでも使われていることが多いので、耳にしたことがある人も多いと思う。
 そしていきなりこのアルバムのハイライト「BRUSH WITH THE BLUES」。ドイツでのライブが音源だが、素晴らしい緊張感とスリリングさで、鳥肌モノの演奏とはこの事だろう。YOU TUBEなどで他のバージョンもあるが、本作の演奏がベストテイクだと思う。
 それからは、新しいジェフ・ベック・ミュージックが展開される。スペイシーであったり、中近東風のメロディーであったり。そして「DECLAN」はアイリッシュのミュージシャンの曲とのことで、牧歌的な素朴な、しかし美しくそして「強い」メロディーの秀作。久々のジェフ・ベックの泣きのギターも楽しめます。
 発表されてから、今年でもう10年もたつのに全く色褪せないこの音楽こそが、今のジェフ・ベックの音楽の崇高さを最も表しているのだろう。