2009年3月8日日曜日

スペクトラム!ジャズロックの金字塔



ビリー・コブハム 「スペクトラム」

ビリー・コブハムの1973年のソロ・アルバムがこの「SPECTRUM」。当時はまだマハビシュヌ・オーケストラのドラマーだったビリー・コブハムがニューヨークのELECTRIC LADY STUDIOSで制作したアルバム。マハビシュヌ・オーケストラで手数の多いテクニックを披露していたビリー・コブハムだが、このアルバムではジャズ系のミュージシャンとファンクに近い感じの音楽を作り出した。
 そして特筆すべきは、当時JAMES GANGにいた夭折した天才ギタリストTOMMY BOLINをギターに起用したこと。このTOMMY BOLINのスピード感溢れるスリリングなギターがこのアルバムの魅力となったのは間違いないところ。アメリカ人らしい明るい音色で弾かれるTOMMY BOLINのギタープレイが、キーボードのヤン・ハマーとインタープレイをする「TAURIAN MATADOUR」などを聴くと、まさしくジェフ・ベックの「WAIRED」そのものであり、時間軸からするとジェフ・ベックのほうがこのアルバムに大きな影響を受けたことがわかる。まさにビリー・コブハムはソロアルバムながら「ジャズ・ロック」から「クロスオーバー」そして「フュージョン」という音楽の流れを作った事になる。POPソングだけでなく、ジャズでもなく高いミュージシャンシップとテクニックによる音楽のスタイルの創造を今日の音楽世界に残してくれた功績はとても大きい。
 曲目はギターにTOMMY BOLINの参加した曲はハードでカッコいい曲が多い。特に「STRATUS」は近年のジェフ・ベックのライブで演奏されている。またホーンをメインにした曲もある。また「LE LIS」はベースにロン・カーターが参加しており、もっとジャズより演奏が楽しめる。1973年といえばもう35年以上も前になるが、音そのもののカッコよさやPASSI0Nは今でも十分に通用するものだ。何より演奏しているミュージシャンの顔が見えるような気がするところがいいんだな。