2010年8月21日土曜日

ジェフ・ベックの最新作は美メロ!


ジェフ・ベック「エモーション&コモーション」
前作の「JEFF」から7年ほど経っての新作。前3作が21世紀型の打ち込み主体の宇宙ぽいサウンドで、特に前作の「JEFF」はプロデューサーのアンディ・ライトの「編集技」による曲が多くて、その後のライブで演奏される曲は少なかった。この7年の間にはスタジオ盤の新作はなかったのだけど、ライブ盤が2枚と、DVDでのライブ映像(オフィシャルでは、何と初めてのライブ映像!)があって、すっかりライブミュージシャンとしての活動が主体となっていた。
そして、この「EMOTION&COMOTION」。1曲目の「CORPUS CHRISTI CAROL」で、美しいストラトのクリーントーンを聴かせ、2曲目の「HAMMERHEAD」は少しハードにスペーシーではあるが、すっきりとしたサウンド。その後の曲も基本はクリーンなトーンで、ギターで表現することの素晴らしさを聴かすアルバムになっている。決して派手なフレーズはないが、聞き込むほどに美しいメロディー感覚に唸らされるアルバムだ。
それから。2010年4月の来日公演に行ったときの感想も。客層はやはり高めで、40代から50代が主な客層。でも女性客も結構多かった。舞台の左側からセンターでギターを弾くジェフ・ベックは終始うつむき加減で、大きなサングラスをしたまま。ライブの曲はこの新作からの曲が多かった。ストリングスのバックも美しく、そして丁寧にギターを弾いている印象。ギターでの抑揚のつけ方がライブでも全くスゴい。ドラマーがナラダ・マイケル・ウォルデンだったので「LED BOOTS」では盛り上がったが、圧巻はこのアルバムの曲の「LILAC WINE」。ラストにかけての感動的なエンディングは、ライトの効果もあるんだけど、ジェフ・ベックに「神」が降りてきた瞬間だった。そして2回目のアンコールで「COUSE WE'VE ENDED AS LOVERS」。ロックギター史上の輝くギターバラードの名曲を生で聴くことが出来た至福、満足な瞬間でした。

2010年2月21日日曜日

スティーブ・ヴァイの最もロックなアルバム


スティーブ・ヴァイ 「エイリアン・ラブ・シークレッツ」

1995年のスティーブ・ヴァイのソロで7曲のミニ・アルバム的な作品。
1曲目は「BAD HORSIE」邦題が、「悪魔のギタリストジャック・バトラー」。これは、スティーブ・ヴァイが悪魔に魂を売り渡したギタリスト役で出演している映画「クロス・ロード」でのギターバトルシーンでのリフに近い曲。そして、この曲にワウ・プレイが後にモーリーからスティーブ・ヴァイのシグネチャーモデルとして、その名も「バッド・ホース」として発売されている。
2曲目は「JUICE」。これもメジャーな早いシャッフルで、テーマからソロまで、全篇ギターを弾きまくりの曲だ。このアルバムでは前作のボーカル有りのサウンドから、インスタルメンタルのアルバムにもどり、トリオ編成で、キーボードも薄くしか活躍しない、よりロックっぽいサウンドになっている。
そして、このアルバムにはビデオ・クリップとして、ほぼ全曲に近い5曲のスタジオライブの映像集が発売されている。当時はスティーブ・ヴァイというのは凄いギタリストだとは、CDを聴き耳ではわかっていたが、映像で目で見たときの衝撃は図りしれないものがあった。この、ビデオクリップ集、ほとんど全篇、本当に弾いているのが凄いところだ。普通はビデオクリップの撮影は弾くマネをすることが多いそうだが、スティーブ曰く「弾くマネはしたことがないので難しい。それより本当に弾くほうが簡単」とのことで、まさに白眉のプレイを見ることが出来る。この「自分の音楽に対するイマジネーションを、ギターという楽器で完全に表現するこのの出来る天才」のライブ・パフォーマンスの凄いところは、見てるほうも弾いている気になってしまうほどの、感情移入をさせるプレイヤーだというところ。これは、ぜひ自分の目で確かめてほしいところ。
7曲目はお約束のバラード「TENDER SURRENDER」。このクリーンで切ないメロディーが、徐々に盛り上がっていき、感情の高まりからとんでもないスーパープレイを、まったく感情的に弾ききる様はまさに快感の何ものでもない。本国アメリカよりも、他の国での評価が高いスティーブ・ヴァイだが、すでにテクニックで語られるレベルはとっくに過ぎて、ただ己の音楽をどう表現するのかがす全ていうレベルのギタリスト。ホントにギターを弾く全ての者の憧れだと思います。