2009年12月19日土曜日

スティーヴィー・レイ・ヴォーンのラストアルバム


スティーヴィー・レイ・ヴォーン 「イン・ステップ」

80年代にブルースを再度音楽のメインストリームに引っ張り上げたギタリスト、スティーヴィー・レイ・ヴォーンのラストアルバム。皆さんご存知のようにレイ・ヴォーンはこのアルバムを出したあと、エリック・クラプトンとのアメリカツアーの移動中にヘリコプターが墜落し亡くなっている。あまりに壮絶な死である。
レイ・ヴォーンの音楽はブルースにすべてを捧げられており、ジャジーな曲もあるけれどそれさえも、ブルースジャズの延長で、クールなジャズではなく、ジャズブルースというものだった。
自ら歌うことで、その姿はまさに80年代のジミ・ヘンドリックスでありながら、ジミよりもよりブルースに傾倒していた。アルバート・キングがおそらく基本なのだろうプレイスタイルと、異様に太い弦から弾き出されるフレーズは後に、たくさんのレイ・ヴォーン・フォロアーを生んだ。
このアルバムは、ドラッグで一時活動を中断していたあとに、クリーンになって録音したアルバムだ。
CROSS FIRE」あたりが、ライブでもよく取り上げられたいたが、やはりハイライトはラストのナンバー「RIVIELLA PARADISE」だろう。スティーヴィーが突然弾きだしたこの曲に、ドラムのクリス・レイトンは慌ててドラムセットに座り、演奏をしたそうだ。初めの数分はヘッドフォーンも聞こえず、勘で演奏していたそうだが、長年ライブをこなしているバンドだからこそできる技なんだろう。そしてまったくのアドリブにも関わらず、その構成力やフレーズの情感、実に心奪われる演奏がくり広げられる。そして厳かに曲が終わったあと、録音していたテープはほんのわずかばかりで1分もなかったそうだ。
まさに、偶然の奇跡のひとコマを記録した「レコーディング」そして、これが名曲の誕生する瞬間なのだと思う。ジャケットで下を向いているスティーヴィー・レイ・ヴォーン。せめて最後ぐらい明るく笑ってくれよ。

2009年10月18日日曜日

ジミヘンドリックスの“ブルーズ”



ジミ・へンドリックス 「ブルーズ」

1998年のジミヘンドリックスのブルース・カヴァー集。しかし、これがまさしくジミのブルースアルバムになってしまっている。ロックギターの革命児的に呼ばれることの多いジミヘンドリックスの、ブルース・ギタリストとしてのアルバムといっても、過言ない出来栄え。
まず、1曲目が「Hear My Train A Comin’」のアコースティクブルース。これだけでも、貴重な音源なんだが、そのあとに、アルバートキングの「Born Under A Bad Sign」を弾いている。この曲ではボーカルなしのギターだけの演奏でこのブルースを弾いているのだ。このエモーショナルで、フィーリングのままにブルージーなフレーズを連発するギターは、まさに聞き応え十分。
他にも「Catfish Blues」や「Voodoo Chile Blues」などの濃い~ブルースが堪能できる。
それにジミのブルースナンバーの定番「Red House」ももちろん収録されてるぞ。
このアルバムを聞けば、過激なジミ・ヘンドリックスの、ルーツの部分、ギターで何かの感情を表現しようとする根っこのところが、理解できるような気がする。

2009年9月27日日曜日

レッド・ツェッペリンがビートルズを抜いたアルバム



レッド・ツェッペリン 「レッド・ツェッペリン2」

1969年のレッド・ツェッペリンのセカンドアルバム。
ファーストアルバムが36時間で製作されたのに対して、こちらはもう少し時間がかかってそうなアルバム。しかし、ライブのスケジュールの合間で製作されてような印象で、でも勢いがあってまったくもってカッコイイのだ。
そして、私が買った初めてのレッド・ツッペリンもこのセカンドアルバムだった。1曲目の「Whole Lotta LOVE」の邦題「胸いっぱいの愛を」に何となくカッコよさを感じ、「HEARTBREAKER」の題名もカッコよかったのだ!!
そして、今から30年ほどまえに家のステレオのターンテーブルのレコードをセットしてこのアルバムを聞いた。できるだけボリュームをでかくして聞いた。「胸いっぱいの愛を」のヘヴィーなギターリフはすぐ真似た。ボンゾのドラムに身体はのけぞった。ワウを踏んでトレブリーな音で弾いている短いけれどカッコイイギターソロ!!これが弾きたいと、瞬時に思った。そうしてロックに取り付かれていったんだよな。みんなが。
「LEMMON SONG」などのブルースナンバーも良かったし、「HEARTBREAKER」の無伴奏のギターソロの斬新さ、まさしくギターヒーローのお手本のようなイメージ、すべてが理想のロックバンドだった。アルバムの最後にはジョン・ボーナムのドラムソロ「MOBBYDICK」が入っている。今頃、ライブでもドラムソロってめったに見ないが、アルバムに入ってるなんて時代を感じる。けどこの演奏もまたレッド・ツェッペリンらしい演奏なんだなー。ゼップの「ロックな感じ」が一番でてるアルバムだと思います。

2009年8月30日日曜日

ジェフ・ベックの六弦神話が全開!



ジェフ・ベック 「ユー・ハッド・イット・カミング」

ジェフ・ベックの2000年発売のアルバム。20世紀最後の名盤「WHO ELSE!」で今を感じさせるデジタル・ダンスミュージックのインストアルバム(もちろん、それだけではなくオーソドックスなブルースナンバーもあったが)で完全復活した1年後に出たアルバム。今までの「10年に1作」ペースからは信じられないアルバム発表に、ホンとかな、と思ってました。
で、この「YOU HAD IT COMING」。ジェフ・ベックの油まみれの手のアップが印象的なジャケットのアルバムなんだけど、正直に言って曲の出来は荒い。しかし、ジェフ・ベックの当時の音楽を作る意欲の高まりからか、勢いはある。そんなアルバムだ。まず1曲目「EARTHQUAKE」って「地震」て意味だけど、重低音のリフ中心の曲。2曲目の「ROY’S TOY」はワウを使ったリフ・ソロがジェフ独特のリズム感で弾かれるナンバー。個人的にはこのアルバムのフェイバリットナンバー。4曲目の「ROLLIN’ AND TUMBLIN’」はブルースナンバーの新しい解釈でカバー。このアルバムが出た直後の日本のライブではジェニファー・バトンが歌っておりました。そしてこの後のジェフ・ベックのライブの中盤で必ず弾かれる曲が「NADIA」中近東風のメロディーがミディアムテンポのリズムに乗って弾かれる曲。ジェフ・ベックのスライドバーによる神業的な名演が光る曲だ。微妙な音程を選んで、美しいメロディーに仕立てるジェフ・ベックの感覚はテクニック云々というよりは、やはり音楽的なセンスとか才能のレベルが常人とは全くレベルが違うのだろう。もっともだかkらこそ、40年以上、ロックの世界で伝説となって活躍できているのだろうが。

2009年7月26日日曜日

ディープパープルの、まさしくインロック!



ディープパープル 「イン・ロック」

ディープパープルの1970年のアルバム。黄金期と言われる第2期パープルのメンバーで作られたあるばむで、それまでの、中途半端なプログレアートロックから、完全なオリジナリティと言うよりは、後のハードロック、ヘヴィメタルの基になったアルバムである。
とにかくこのアルバムでのリッチー・ブラックモアのギタープレイは、これまでのもやもやを吹き飛ばすかのごとく、ハードでエッジーでメチャ弾き状態であるし、新加入のイアンギランのヴォーカルは金属的な高音を発し、ロジャーグローバーのベースもゴリゴリした後のロックベースの基になった音だ。
 1曲目のイントロはジョンロードのオルガンでアートロック風に始まるがが一転しての単純かつカッコイイ「SPEED KING」のリフに乗って歌うイアンギランの歌は正しく、「ロックヴォーカルのお手本」。
名曲「CHILD IN TIME」はイアンギランのその後のお気に入り曲となったが、静と動の対比が素晴らしい、ディープパープルを代表する名曲のひとつ。リッチーブラックモアのエモーショナルなプレイから、スピィーディーな3連シャッフルにのったキメのフレーズまで、まさに神ワザの世界。
そしてやっぱり、アルバムのジャケットがカッコイイ。イギリスのバンドがアメリカの岩に大統領の顔を彫刻している観光スポットをパロッて作ったこのアルバムは、それでも「ロック=ROCK」を作り出した意思と自信の表れのような気がした。ジャケ買いしてしまうアルバムの1枚だろう。

2009年6月28日日曜日

トミー・ボーリンの富墓林…



トミー・ボーリン 「PRIVATE EYES」

トミー・ボーリンのセカンドソロアルバムにして、1976年12月に他界した彼の最後のアルバム。
トミーボーリンは1951年8月1日にアメリカのアイオワ州で生まれている。そしてハイスクール時代からバンドを組んで、1973年に当時フュージョン界の大御所「マハビシュヌ・オーケストラ」のドラマー、ビリー・コブハムのソロ「スペクトラム」に参加している。この時22歳!!まさに天才の演奏がこのアルバムでは聴ける。シンセサイザーのヤン・ハマーとのソロの掛け合いなどは、後のジェフ・ベックがまんまパクッている。そしてその後に、ジョー・ウォルシュがイーグルスに参加した後釜にジェイムス・ギャングに参加。
ジャズ、フュージョンだけでなくロックンローラーとしての面もつくりあげていった。
 その後、ファーストアルバムにしてロック名盤の一つとなた「TEASER」を発表して、何とリッチー・ブラックモアの後釜として、第4期ディープ・パープルに参加して「Come Taste The Band」を発表する。これが1975年の春ごろで、私もこの記事を覚えている。メンバーの真ん中で足を組んで、少し東洋的な】顔立ちで余裕見せてる青年がトミーボーリンだった。
 ただ、残念ながらディープ・パープルへの参加はトミー・ボーリンの知名度を飛躍的に伸ばす事にはなったが、パープルのギタリストに求められてリッチーブラックモアの幻影を彼は演じなかった。パープルの中にファンクの要素、少し黒っぽいリズムを導入した。そしてそれが、旧来のパープルファンから敬遠されたのだ。
 また1975年12月の来日時には左手を負傷していたため、曲のリフは弾けたが、ソロはほとんど弾けなかったこともあり、日本のファンの間では長い間「ド下手」なギタリスト扱いだった。
 しかし、このアルバムでも聞ける通り、トミー・ボーリンというギタリストは実に才気に溢れたギタリストだ。なによりも独特にリズム感で曲に絡んだソロを弾くことが出来る。1曲目の「BUSTIN’ OUT for Rosy」のエンディングでのソロなど、決して速くはないのだが、すごいスリルを感じてしまう。
 また「Post Toastee」のカッコイイリフと、スペイシーなソロ、転調部分のスリリングさはまさに、ロックの天才の作り賜った時間だ。また、音楽の多彩さや、曲のライテクングの素晴らしさもトミー・ボーリンの大きな魅力だ。アコースティックにボサノバ調の「Gypsy Soul」や、泣きたくなるくらい美しく儚いバラード「Hello Again」などを聞けば、ギタリストのテクニック自慢のエゴ丸出しのソロアルバムとは、まったく違うものであることは、すぐ分かるはずだ、70年代の半ばに、90年代に始まった「ファンク・メタル」というジャンルをすでにやろうとしていたギタリスト、それがトミー・ボーリンだったのだ。

2009年5月31日日曜日

レッド・ツェッペリン、後期の傑作アルバム!


レッド・ツェッペリン 「プレゼンス」

レッド・ツェッペリンの1976年のアルバム。私がレッド・ツェッペリンを知った時の最新アルバムは「フィジカル・グラフィティ」で2枚組みだったのと、知っている曲(シングルカットとか、ライブ映画の曲)がなかったので、買うのをためらっていたんだけど、このアルバムだ出たときの衝撃は凄かった。
 やっぱり、当時の世界最強のロックバンドの風格が溢れていたアルバムだ。何より4人で作り出すサウンドとしては桁はずれの音の厚みがある。それは多重録音のせいだけでは決してない。
 ジョン・ボーナムのドラムのヘヴィなだけでなく、結構タイトなリズムでもある。しかし、ジョン・ポール・ジョーンズのベースがこのアルバムでは、ドライブし、ヘビィな音を刻む。ボトムの音がソリッドでヘビィなのだ。ゆえにドラムの音はスネアも少し高めな感じなのかもしれない。
 そして、ジミー・ペイジもギターの音も。よく聴けばレスポールの音だけでなく、シングルコイルのストラトかテレキャスターの音も混じっている。そのクランチな音が実にカッコイイ。
 もちろんロバート・プラントの神の声もこの時期は、最高にエモーショナルでテクニカルだ。
 まずオープニングの「ACHILLES LAST STAND」でぶっ飛ぶ。邦題が「アキレス最後の戦い」とされたこの曲はジミーペイジの求めた「ギター・オーケシュトレーション」の最終型だ。ギターの音の積み重ねられた上にエモーショナルなソロが一音一音ずつ積み重ねられる。
 そして、「FOR YOUR LOVE」「ROYAL ORLEANS」とリフ主体のヘヴィロックが続き、ライブでも演奏される「NOBODY’S FAULT BUT MINE」はまさにZEPサウンドの極致。続く「CANDY STORE ROCK」はアルバム発表当時シングルカットされていたのでラジオでヘヴィローテーションされていた曲。ZEP流のロックンロールが聴かれる。
 ラストの「TEA FOR ONE」は「SINCE I’VE BEEN LOVING YOU」を彷彿とさせるスローなブルースナンバーだ。しかし、この「TEA FOR ONE」のほうがシンプルに控えめでいて、それでいてよりエモーショナルだ。キーボードが使用されていないこのアルバムは、そのせいもあって、より「生のロック」を感じるアルバムだ。最後にライブで「ACHILLES LAST STAND」を演奏するLED ZEPPELINってホントにおそろしいバンドだと感じずにはいられない。

2009年5月17日日曜日

高崎晃の“氣”を感じるか!?



高崎晃 「氣」

96年の高崎晃のソロアルバム。これから「転」とか次々ソロアルバムが出るんだが、その1発めがこの「氣」。まさにアルバムタイトルとおりの高崎晃の「氣」が全篇で感じられるアルバムだ。まず1曲めの「Danncin’Siva」のイントロに1音から完全にエスニックな音に引き込まれる。今までの洋楽のロックにはない、まさに日本のロックの精神性を表現した音に見せられてしまう。そして、ハードロックの様式美のなかに、テクニカルなギタリスト高崎晃がエモーショナルにギターを弾き倒すという、まさに極楽ロックギターインストの極致を堪能できる。
特に「Jap Gold」のようにゆったりした、そして微かに揺れているアルペジオの響きが妖しく雰囲気満点だ。またなかには「Seven Peppers」(七味?)のようにファンキーな曲もあって、ハードではあるが、曲自体はバラエティーに富んでいてまったく飽きさせない。ラストの「Voodoo Bose」ではテープの逆回転サウンドから、ピアノも入ってのインプロビゼーション風の曲で締めくくっている。まさにギターを弾く快感が伝わってくる演奏だ。
最後に、ジャケットに写っているkillerのSITARというギターの実物をSHOPで見たんだけど、ものすごく神秘的で美しいギターでした。

2009年4月29日水曜日

スティーブ・ルカサーの初ライブ盤かも?


グレッグ・マティソン・プロジェクト 「ベイクドポテト・スーパーライブ」

1982年のアナログ盤のCD化。キーボードのグレッグ・マティソンのバンドとして、TOTOのドラムのスティーブ・ポーカロ、ギターのスティーブ・ルカサー、ベースにロバート・ポップウェルが参加している。そして会場はロスの「ベイクドポテト」というライブハウス。そしてこのアルバムはそのライブハウスでのライブ演奏というわけだ。
当時のTOTOの人気から考えて、スティーブ・ポーカロスティーブ・ルカサーの演奏をライブハウスで楽しめるなんてすごいことだと思う。また、ここでのスティーブ・ルカサーのギターがまさに、弾きまくり!!
1曲めの「BOMP ME」からルカサー節全開で、猛烈フルピッキングですばらしくエネルギッシュな演奏を繰り広げています。でも2曲めの「THNK YOU」では当時のAORの雰囲気の濃いメロウなプレイも楽しめて、ホントに奇跡のアルバムだと個人的にはおもっているんですが。
とにかくメンバーのすごい演奏能力の高さと音楽性の豊かさのよくわかるアルバムです。そしてこれがライブだというのがまたいいんですね!(でも、ドラムのスティーブ・ポーカロは、このアルバムはミスの多いプレイで嫌いなんだそう)
ラストの「THE SPUD SHUFFLE」でもスティーブ・ルカサーのギターソロはまさに音の洪水!今は亡きスティーブ・ポーカロのドラムとともに、あの時代を思い出させてくれる、隠れたインストライブの名盤です。

2009年4月4日土曜日

ポール・ロジャースのブルースシャウトの名盤!



ポール・ロジャース「マディ・ウォータース・ブルース」

ポール・ロジャースの1993年のマディ・ウォータースへのトリビュートアルバム。フリー、バッド・カンパニー、そしてジミーペイジと組んだファームと常にロック・ヴォーカリストとして、素晴らしい歌を聴かせてくれたポール・ロジャース。そのポール・ロジャースが、マディ・ウォータースへのトリビュートとして、マディの曲とオリジナルで作成下アルバム。ドラムにジェイソン・ボーナム、ベースはピノ・パラディーノ、リズムギター、イアン・ハットンをベースに豪華ギタリストが1曲ごとにゲスト参加している。
 参加ギタリストは、オープニングのオリジナル「Muddy Water Blues」のバディ・ガイをはじめ、ジェフ・ベックブライアン・メイゲイリー・ムーアニール・ショーンスラッシュデヴィド・ギルモアリッチー・サンボラトレヴァー・ラビンブライアン・セッツアースティーブ・ミラーで総勢11名。さすがにスタジオで直レコーディングはできなくて、オーバーダブでリードギターを重ねたテイクもあるそうだ。
 しかし、これだけのギタリストが、それぞれのブルースを聴かせてくれるアルバムも凄い。特にジェフ・ベックの「らしい」緊張感あふれるテイクや、デヴィッド・ギルモアのどブルースなフレーズが素晴らしい。
 このCD、買ってもう15年以上経ってるんだなぁ。でも、やっぱり時どき聴いてるんだなぁ。ポール・ロジャースのかっこいい、文句のつけようのないヴォーカルに、名ギタリストの名ブルース。それだけで、最高のブルース・ロックであります。

2009年3月8日日曜日

スペクトラム!ジャズロックの金字塔



ビリー・コブハム 「スペクトラム」

ビリー・コブハムの1973年のソロ・アルバムがこの「SPECTRUM」。当時はまだマハビシュヌ・オーケストラのドラマーだったビリー・コブハムがニューヨークのELECTRIC LADY STUDIOSで制作したアルバム。マハビシュヌ・オーケストラで手数の多いテクニックを披露していたビリー・コブハムだが、このアルバムではジャズ系のミュージシャンとファンクに近い感じの音楽を作り出した。
 そして特筆すべきは、当時JAMES GANGにいた夭折した天才ギタリストTOMMY BOLINをギターに起用したこと。このTOMMY BOLINのスピード感溢れるスリリングなギターがこのアルバムの魅力となったのは間違いないところ。アメリカ人らしい明るい音色で弾かれるTOMMY BOLINのギタープレイが、キーボードのヤン・ハマーとインタープレイをする「TAURIAN MATADOUR」などを聴くと、まさしくジェフ・ベックの「WAIRED」そのものであり、時間軸からするとジェフ・ベックのほうがこのアルバムに大きな影響を受けたことがわかる。まさにビリー・コブハムはソロアルバムながら「ジャズ・ロック」から「クロスオーバー」そして「フュージョン」という音楽の流れを作った事になる。POPソングだけでなく、ジャズでもなく高いミュージシャンシップとテクニックによる音楽のスタイルの創造を今日の音楽世界に残してくれた功績はとても大きい。
 曲目はギターにTOMMY BOLINの参加した曲はハードでカッコいい曲が多い。特に「STRATUS」は近年のジェフ・ベックのライブで演奏されている。またホーンをメインにした曲もある。また「LE LIS」はベースにロン・カーターが参加しており、もっとジャズより演奏が楽しめる。1973年といえばもう35年以上も前になるが、音そのもののカッコよさやPASSI0Nは今でも十分に通用するものだ。何より演奏しているミュージシャンの顔が見えるような気がするところがいいんだな。

2009年2月28日土曜日

Charのロックトリオの原点



JOHNNY,LOUIS&CHAR 「FREE SPIRIT」

Charの「JOHNNY,LOUIS&CHAR」結成のファーストアルバムにして、1979年7月14日、日比谷野外音楽堂でのライブアルバム。というより日本のロックの名盤中の名盤にして、文字通りの「歴史的な名盤」であることは間違いない。
ファーストアルバム「CHAR」で20歳にして彗星のごとく日本の音楽界に現れたチャー。その音楽も「SMOKY」や「Shinin'YOU Shinin’Day」などの名曲を発表してハイセンスなイメージだったチャーが、歌謡曲の世界に出て、歌番組やコント?までやったりして、だんだんすさんで大麻かな?で捕まったあとで復活結成したバンドがこのトリオバンドなんだ。
のちにPINK CLOUDとバンド名は変わるんだけど、ジョニー吉長と、ゴールデンカップスの伝説の天才ベーシスト、ルイズルイス加部のリズムコンビにチャーが加わるというまさに鉄壁のロックバンドがこのトリオなのだ。
 まず、1曲目からジミ・ヘンドリックスへのオマージュで破壊的なエネルギーを見せつける「君が代」こと「intoroduction」、そして「Wasted」のドラムのイントロからベースとヘヴィーなユニゾンのリフにつながるところは、まさに「ロック」の緊張感に溢れている。そして日本語で歌われる「風に吹かれてみませんか」「籠の鳥」はまさに今の日本でこそ、みんなに聞いてほしい名曲だと思う。日本独特の民謡?的なノリの「Natural Vibration」は今でもチャーのライブの定番になっているし、ソロでのBとDの2分近いトリルは今でも指がつって弾けない。ラストの「Shinin'YOU Shinin’Day」のスタジオ盤とはまったく違うライブならではのスリリングな演奏も聞きものだ。それぐらいムダ曲なしのロックに浸れる至福の40分だ。
 そしてこのライブ盤が「歴史的な名盤」といわれるのは、このライブが“ノーギャラ、ノーペイ、ノーチケット”のフリーコンサートだったことだ。バンドのメンバーはもちろん、スタッフもみんなただでこのコンサートを開催したんだ。お客さんは並んだ順に入場で、チケットなしのみんなタダ。それでこの素晴らしい演奏が見れたのはやっぱり凄い、そしてこの日のライブからチャーは、自身でも語るようにミュージシャンとして生きていくべく“変わった”んだ。
 最近、この日のライブの差し替えなしの完全盤と映像DVDつきのCDが発売されたけど、そちらもGOOD。なにより、実に当日の雰囲気が伝わってるのがいいんだ。「SMOKY」の演奏時に前に押し寄せた観客を演奏をとめてチャーが制してるのが凄い。やっぱり、チャーは、ホントに日本で最もロックしてるギタリストだよ。

2009年2月17日火曜日

ジェフ・ベックの生ライブ!



ジェフ・ベック 「ライブ・ベック!」

2005年のジェフ・ベックの来日記念盤ということでリリースされた2003年9月10日、ニューヨークの「BBキング・ブルース・クラブ」でのライブ盤。メンバーはドラムスにテリー・ボジオ、キーボードにトニー・ハイマスでベースレスとくれば、アルバム「GUITAR SHOP」と同じ顔ぶれ。そして、このアルバムはライブアルバムを出す事に消極的なジェフ・ベックが、しかし21世紀はライブ活動をメインの音楽活動にしているジェフ・ベックライブ会場でのみ発売されていたCDだそうだ。その後にファンクラブ経由のネット販売が追加されて、日本版での一般発売になったというCD。演奏のほうはというと、1曲目の「ROYS TOYS」から「PSYCHO SAM」などで新境地のデジタル・ジェフ・ベックを楽しめるのはもちろん、「FREEWAY JAM」や「GOODBYE PORK PIE HAT」、「SCATTERBRAIN」などの古い曲をこのメンバーでどう演奏するのかなど、盛りだくさんな内容だ。特にドラムのテリー・ボジオのライブ演奏はさすが現役の世界NO.1ドラマーと呼ばれるだけの素晴らしい演奏で、あらためてドラマーによって曲の音楽性や緊張感がこれほどグレードアップするのかと感心してしまう。
 そしてこのライブ盤のもっともオイシイところは、一切のオーバーダビングがなされていないという事に尽きる。まったく編集や、音の加工なしで、当日のライブ会場のPAから観客が聴いていたそのままのサウンドが再現されている。そのため、ノイズ・歪みもあるとのことだが、そんなものは全然気にならない、どころか気づきもしない。それほどのライブ感なのだ。
なんでも「公式ブートレッグ」というスタイルでのライブで、まさにジェフ・ベックのギタリストとしての魅力がこれほど伝わるコンセプトもないのではないか。
 会場が200人も入れば満杯という、ライブハウスクラスでのライブだそうで、すぐ目の前で、ジェフ・ベックのマーシャルから直にその音が聞こえていたはずで、まさにロック・ギターのすべてがそこにはあったんだろうと想像すると、本当にうらやましいかぎりだ。

2009年2月15日日曜日

エリック・クラプトンとB.B.キングの競演!



B.B.キング&エリック・クラプトン「ライディング・ウィズ・ザ・キング」

エリック・クラプトンが助手席にストラトキャスターを乗せうれしそうにハンドルを握り、にやっと笑う。BBキングが「おいおい…」て感じで両手を広げて、愛器ルシールととも後ろの席に載せられている。このジャケットがすべてを物語ってます。このアルバムはこういうアルバムです。
 左のチャンネルがエリッククラプトンのストラトキャスターの音で、右のチャンネルからはBBキングのルシールの音がします。音数が少なく、また最近の録音なので二人のギターの音色の感じやタッチ、フレーズの微妙な艶までよくわかる名盤。このアルバムでブルースのフレーズは、相当ストックできるはず。
 1曲めのタイトル曲「RIDING WITH THE KING」のノリノリ具合が特によろしい。4曲めの「MARRY YOU」や「HOLD ON I'M COMING」などのクラプトンズ・ブルースにのっかるBBキングのギターが新鮮だ。でも、やっぱりBBキングの歌声に比べると、エリック・クラプトンの声って、どこが泣いてる感じがするんですよね。

2009年2月8日日曜日

サンタナのエモーショナルな名演ならこれだ!



サンタナ「サルバドールにブルースを」

サンタナカルロス・サンタナ名義の1987年のソロアルバム。「BLUES FOR SALVADOR」はサンタナの今までのアルバムのジャケットとは大きく異なる。いつものサンタナのアルバムジャケットはアートの趣きがたっぷりの素晴らしいジャケットだが、このアルバムではカルロス・サンタナがスタジオの椅子に座っているだけの、それも白黒の写真が使われているだけだ。
 しかし、内容はジャケットとは反対に実にカラフルな音となっている。まずオープニングの「BAILANDO/AQUATIC PARK」では、いつものラテンのリズムに乗ってサンタナの艶っぽいギターが堪能できる。それから「BELLA」ではリリカルで繊細なギターが、そして「DEEPER,DIG DEEPER」ではダンサブルなリズムでのサンタナのギターがカッコよすぎる。
 実はこのアルバムでのサンタナの音楽が、デビューからの「ラテン~アフリカン」から「宗教~ジャズ」と難しくなっていったカルロス・サンタナの音楽が、今現在のすべての人に愛される音楽へと向かう一歩だったのではないかと思う。
 そして何と言っても素晴らしいのがラストの「BLUES FOR SALVADOR」。ワウを踏みながらのエモーショナルなアドリブに近い演奏であるにも関わらず、随所で聞くものの心の根っこをグッと押さえつける。もしあなたがギターを弾いているなら、こんな演奏が、こんなギターが弾きたいと必ず思うはずだ。決して速く弾くだけがテクニックじゃなく、ギターを弾いてない、音のないところにもカルロス・サンタナの気が完全に感じられる、そんな名演です。とても6分もあるとは思えない、音楽を聴く至福の時間と断言できます。
 このCD、昔レンタルしたんですが、今はなかなか売ってなくて、でもアマゾンで新品を690円で買いました。ラッキー!中古で3000円とか5000円とかで売ってる人もいますが、もう在庫限りの商品なのでしょうがないのかな?あとカルロス・サンタナのCDまとめて3枚買っちゃった。

2009年2月7日土曜日

ジェフ・ベックって誰?WHO ELSE!



ジェフ・ベック 「フー・エルス!」

ジェフ・ベックの1999年のアルバム。そして、「GUITAR SHOP」以来9年ぶりのオリジナルアルバムだ。当時、もう20世紀中にジェフ・ベックの新作を聴く事はないだろうと言われていたのだが、ついに発表された、そして強力なジェフズ・スーパーギターインストアルバムがこの「WHO ELSE!」。
 1944年生まれのジェフ・ベックが55歳にして、円熟とか渋みとか一切考えずに、全く新しいギターミュージックを作ったのがこのアルバムだ。このあと続けて発表された「YOU HAD IT COMING」と「JEFF」の3部作に共通した「スペイシー」な、この地球の音楽でないようなぶっ飛び感のある音がこのアルバムの最大の魅力だ。
 そして、ジェフ・ベックがテクニック的には完全に指弾きとアーミングを駆使してのオリジナルサウンド、フレージングを披露しているのも特徴。
 まず、1曲めの「WHAT MAMA SAID」から「PSYCHO SAM」へのスリリングな展開が素晴らしい。テレビ番組のバックミュージックでも使われていることが多いので、耳にしたことがある人も多いと思う。
 そしていきなりこのアルバムのハイライト「BRUSH WITH THE BLUES」。ドイツでのライブが音源だが、素晴らしい緊張感とスリリングさで、鳥肌モノの演奏とはこの事だろう。YOU TUBEなどで他のバージョンもあるが、本作の演奏がベストテイクだと思う。
 それからは、新しいジェフ・ベック・ミュージックが展開される。スペイシーであったり、中近東風のメロディーであったり。そして「DECLAN」はアイリッシュのミュージシャンの曲とのことで、牧歌的な素朴な、しかし美しくそして「強い」メロディーの秀作。久々のジェフ・ベックの泣きのギターも楽しめます。
 発表されてから、今年でもう10年もたつのに全く色褪せないこの音楽こそが、今のジェフ・ベックの音楽の崇高さを最も表しているのだろう。

2009年1月11日日曜日

ジェフ・ベックのインスト初ライブ盤!



ジェフ・ベック「ジェフベック・ウィズ・ヤンハマー・グループ・ライブ」

1977年発表のライブアルバム。そしてジェフ・ベック唯一の公式ライブアルバムでもある。
当時はヤンハマーのグループに加入して、お互いのレパートリーを演奏するようなツアーでのライブだったと記憶している。そしてギターインストとして「BLOW BY BLOW」「WIRED」と立て続けに名盤を発表した後のライブ盤で、FMラジオでは結構特集が組まれていた。曲目は「BLOW BY BLOW」から「FREEWAY JAM」「SHE’S A WOMAN」「SCATTERBRAIN」の3曲、そして「WIRED」からは「BLUE WIND」、後の3曲はヤンハマーの曲で「EARTH」「FULL MOON BOOGIE」「DARKNESS」となっている。そしてどの曲もスタジオ盤よりも緊張感の高い、そして生々しい演奏を聴く事が出来る。オープニングでの「FREEWAY JAM」でのヤンハマーのキーボードとの掛け合いは、まさに渋滞中の街中のようであり、「SHE’S A WOMAN」でのピッキングの生々しい演奏、「SCATTERBRAIN」ではジャジーでスローな長い前奏も聴ける。そしてあのメインテーマでのプラクティスのようなフィンガリング。「BLUE WIND」のイントロでの神々しさ。テーマに続いてのヤンハマーとのソロの応酬がり、しばしのドラムのカウント。そしてヤードバースの「TRAIN KEPT A ROLLIN」が挟まれて、また「BLUE WIND」のエンディングへ。ものすごく緊張度の高い演奏が展開される。
 もう一つ付け加えておくなら、ヤンハマーの曲でのジェフ・ベックの演奏はヴォーカル曲でのカッコいいバッキングのカッティングや、ここでしか聴く事のできないギタープレイで、これがまたレベルの高い良い演奏なのだ。最後に出来るだけ大きな音で聞いてもらいたい。ライブの雰囲気やベックにギターの生々しいトーンがこのライブアルバムの最大の魅力だから。

2009年1月4日日曜日

ジェフ・ベックのもっとも「らしい」アルバム



ジェフ・ベック・グループ 「ジェフ・ベック・グループ」

第2期ジェフ・ベック・グループのセカンドアルバムで通称「オレンジアルバム」と呼ばれている「JEFF BECK GROUP」。「TURUTH」のジャケットの大きなリンゴに対して、こっちはジャケットの上のほうにオレンジの写真があることからそう呼ばれている。
 メンバーは1枚目と同じで、ドラムスにコージー・パウエル、ベースにクライブ・チェアマン、キーボードにマックス・ミドルトン、ボーカルにボブ・テンチの布陣。そしてプロデューサーがスティーブ・クロッパーということで、前作よりロック、R&Bよりの音になっている。
 まず1曲めの「ICE CREAM CAKE」。コージー・パウエルのかっこいいドラムから、ベースのリフが入る。そしてジェフ・ベックのギターが絡んでいく。「ロックってカッコいい…」って心底思える曲だ。ギターソロもいきなりの高速トリルからロングトーン、そして感情のおもむくままにフレーズを連発するジェフ・ベックのギター。もう完璧…。2曲目、3曲目はR&Bテイストの強い曲で、ここでのボブ・テンチのヴォーカルは、まさに水を得た魚のよう。見事に歌いきっている。4曲目の「SUGAR CANE」は不思議なテイストの曲。こんな曲のドラムをコージー・パウエルが叩いていたかと思うとおもしろい。
 そしてもはやロックの名曲といえる「GOING DOWN」。これまでも多くのギタリストがカヴァーしている。ヴォーカルもそれほど難しくなく、またボブ・テンチの歌い方も曲と合っていない(?)ので、カヴァーしやすいのだろう。そしてジェフ・ベックのギターもオブリガードからソロまで、トレモロアームを使ったり、トリッキーなフレーズを駆使したりの熱演。ギタリストが集まったときのジャムでも、ソロ回しがしやすいために良く演奏される曲だ。
 そしてジェフ・ベック・グループのヴォーカル曲の中での私のフェバリット「HIGHWAYS」。イントロからジェフ・ベックの泣きのギター、そしてヴォーカルのバッキングのカッコよさと、曲の美しさ、ドラマチックさ、そしてギターソロの盛り上がりといい、エンディングの渋さといい、初期のジェフ・ベックのカッコよさをもっとも印象づけた曲だ。こういう音楽をロックの範疇でやっていたのは、ホントにジェフ・ベックだけだったろう。そしてこのアルバムが1972年の発売なんだから、時代の先取りというよりは、普遍的にカッコいい音楽を作っていたんだろう。
 ラストがまた名曲「DEFINITELY MAYBE」。最近はジェフ・ベックの曲も多くなったきたから、あまりとりあげあれないが、私が子どものころにジェフ・ベックの泣きのギターといえば、まず真っ先に出てきた曲だ。ワウとスライドを使った曲はメロディ自体が泣きの曲なのだが、それを丁寧にまた、感情を抑え気味にして弾くジェフ・ベックのギターは、やはり彼の「名演」のひとつに数えられるべきものだろう。

2009年1月3日土曜日

ジェフ・ベックのおしゃれロックを聴け!



ジェフ・ベック・グループ 「ラフ アンド レディ」

ジェフ・ベックが自動車事故から復帰して結成した、俗に言う第2期ジェフ・ベック・グループのファーストアルバム「ROUGH AND READY」。当時はレッド・ツェッペリンディープ・パープルのハードロックや、デヴィッド・ボウイTレックスなんかのグラムロックの人気が高かった時代だったはずだが、このアルバムでのジェフ・ベックの音楽は今聴いても新しさとかっこよさ、何ともいえないおしゃれな感覚が溢れている。
 メンバーはドラムにメジャーバンドデビューのコージー・パウエル(あのコージー・パウエル…)、ボーカルのボブ・テンチ、ベースにクライブ・チェアマン、キーボードにその後も活動をともにするマックス・ミドルトン。後のインスメンタル・クロスオーバー路線に移行するジェフの音楽性が最もよくわかるグループだろう。
 ドラムのコージー・パウエルはのちにリッチー・ブラックモアレインボーに加入して、70年代の後半から80年代にかけては世界ナンバーワンのロックドラマーとして君臨した。キーボードのマックス・ミドルトンはジャズの要素を持ち込み、のちの「BLOW BY BLOW」にも参加して美しい曲を書いている。それからベースのクライブ・チェアマンとヴォーカルのボブ・テンチが黒人であることから、曲にファンクやR&Bのリズムが加わり、アルバム全体が今まで聴いた事がないような美しいバランスでミクスチャーされることになった。といっても、1曲になかにいろんな音楽が詰まるような現在のミクスチャーではない。1曲1曲にそれぞれに音楽の要素が展開されているのだ。
 オープニングの「GOT THE FEELING」から「SITUATION」への流れはPOPといえるほどのおしゃれさで、かっこいい曲とはまさにこういう曲をいうのだろう。もちろん曲中に絡むベックのギターも最高!
 ギターもレスポールからストラトキャスター主体になり、歪みは少ないがファンキーは曲によくブレンドするトーンになっている。
 「MAX’S TUNE」は美しいバラードでありながらジャジーに展開する後のジェフ・ミュージックを予感させるもの。「NEW WAYS」から「TRAIN TRAIN」へのメドレーはライブ感もあり爽快。そしてラストの「JODY」がスライドギターで奏でられるバラードとなっている。ある意味では、非常に異質なアルバムだろう。ドラムにコージー・パウエル、ギターにジェフ・ベックがいなければ、このアルバムは軟弱なロックになっていたかもしれない。まさに紙一重で、唯一無二のジャズ・ファンク・ロックが生まれたのだ。